WiFi6E対応?10Gbps?噂のNECの新製品「Aterm PA-WX11000T12」を徹底調査してみた
NECより9/15に最新ルーター「Aterm PA-WX11000T12」と「Aterm PA-WX7800T8」が発売されました。
こちらの2機種は現行の無線規格「WiFi6」に加えて新規格の「WiFi6E」に対応し、注目を集めています。
しかしながら新規格と言われてもピンと来る方は少ないと思われますし、何がどう変わったかというのはなかなか分かりづらいですよね。
そこで今回は新機種の性能を見ながら、新規格の「WiFi6E」について分かりやすく解説していきます。
・WiFi6Eとはどういったものかを理解できるようになる
・WiFi6Eのメリットとデメリット
・NECのWiFi6E対応ルーターを理解できるようになる
そもそも「WiFi6E」とは?
WiFi6Eって何ですか?何ができるんですか?
電波法の改正により日本でも使用できるようになったWiFiの新しい規格で、現在注目を集めています!
日本でのWiFi6Eの解禁
現在主流になっているWiFi6ですが、WiFi6EはこのWiFi6を拡張させた規格となっており、今までの無線通信を安定させ、さらなる高速通信を行うためのものになります。
世界では2019年にリリースされて以降、欧米諸国を中心に一般的に使用されていましたが、日本では電波法などの法整備がうまくいかず、使用の認可が降りない状態でした。しかしながら2022/9/2付けで電波法が改正され、日本でも使用が解禁。今後運用の機会が増えていくと期待されています。
最大の特徴:デバイス混雑の少ない「6GHz帯」を利用できる
現行のルーターの多くは「2.4GHz」「5GHz」の2つの周波帯を利用して電波を飛ばし、無線環境を構築しています。しかし、当初2.4GHz帯の混雑緩和のために設けた5GHz帯でしたが、昨今の対応デバイスの爆発的な増加、一人あたりの通信端末の所持台数増大により、混雑が避けられない状況となってきています。中には5GHz帯を2ストリーム用意しているルーターもあるものの、数が少なく、一般的であるとは言えません。
そんな中でこの2.4GHz、5GHzの混雑の緩和を目的に新しい周波帯「6GHz帯」を使用できるようになり、チャネル幅が2本から7本へと画期的に増加させたのが「WiFi6E」となっています。この仕様変更がなされたお陰で、大容量のデータのやり取りもスムーズかつ高速に行うことができるようになりました。
WiFi6Eのメリット:高速通信が行える上に通信が安定しやすい
上記の通り、WiFi6Eは新しい周波帯の6GHz帯を使用することにより、混雑の緩和が期待されています。
車の道路に例えるのであれば、現在2車線しかない道路を7車線に広げたようなイメージです。そうすることにより、車幅の広いトラックなども楽に通行することができ(大容量データ)、周りの交通を気にせず速度を出すことができるようになりました。
また、航空機や気象レーダーなどで利用されている5GHz帯に干渉することもないため、使用の制限が少ないことも注目を集めています。
WiFi6Eのデメリット:現在は対応機種が少なく、ルーター自体の価格も高い
こちらは新規格のため、ある程度仕方ない部分ではあるものの、どうしても対応できる機種が少なく、新製品のルーターは価格がかなり高価という点は避けられません。
現在WiFi6Eに対応している機種は一部のノートPCやスマホ、タブレットのみとなっており、WiFi6Eに対応した外付けの無線LAN子機も発売されていません。
また、今年の9月から発売されたNEC/バッファローのWiFi6Eの対応ルーターは安くても20,000円前後と、ルーターにしてはあまりリーズナブルとはいえない価格となっています。
こちらは今後の規格の浸透に期待したいところですね。
WiFi6E対応のNECルーター「PA-WX11000T12」と「PA-WX7800T8」の紹介
ここからは実際に今回NECから発売された2機種の特徴を詳しく見ていきます。
2機種の詳細スペック
製品名 | WX11000T12 | WX7800T8 |
製品 | ||
ストリーム | 4×4(6GHz/HE160) 4×4(5GHz/HE160) 4×4(2.4GHz) | 2×2(6GHz/HE160) 4×4(5GHz/HE160) 2×2(2.4GHz) |
アンテナ | ワイドレンジアンテナPLUS | ワイドレンジアンテナPLUS |
6GHz | 4,804Mbps | 2,402Mbps |
5GHz | 4,804Mbps | 4,804Mbps |
2.4GHz | 1,147Mbps | 574Mbps |
DL/UL MU-MIMO | ○ | ○ |
DL/DL OFDMA | ○ | ○ |
TWT | ○ | ○ |
WAN | 10Gbps×1 | 1Gbps×1 |
LAN | 10Gbps×1 1Gbps×3 | 1Gbps×4 |
CPU | クアッドコア(2.2GHz) | デュアルコア(1GHz) |
メッシュ中継 | ○ | ○ |
バンドステアリング | ○ | ○ |
サイズ(奥行き×幅×高さ/mm) | 90×257×237 | 76×213.5×196.5 |
このようになっており、ストリーム数と有線LAN部に違いがあります。
WiFi6Eが使用できる以外だと、WX11000T12は総じて10Gbpsの次世代規格に対応、WX7800T8は現行の上位機種と同等程度の性能ということが言えます。
最上位機種であるWX11000T12の10G-BASEを最大限活かすのであれば光回線の10Gbpsプランを用意しているプロバイダに加入をすることが必須になっているため、1Gbpsの回線を使用している方であればWX7800T8でも十分な性能を発揮してくれるということになります。
デザイン性
デザインに関してですが、サイズはどちらも現行のルーターに比べてかなり大きめです。
置き場所もそれなりに必要とするため、目立たないように設置したいということであれば工夫が必要になるでしょう。
WX11000T12は白、WX7800T8は黒を基調としています。はっきりとした色合いになっているため、インテリアに溶け込ませる/アクセントとして置いておくにはピッタリの意匠と言えます。
トライバンド対応
また、両機種とも3帯域の同時通信が行えるトライバンド機能を有しており、それぞれの接続に最適な電波を恒常的に発することが可能。それぞれに最適な電波を割り振るため、通信が安定します。
トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ™に対応
ルーターを利用しているだけでセキュリティは強固ですが、昨今はフィッシングサイトによる個人情報の詐取やスマート家電のWebカメラ乗っ取りなど、IT犯罪は日々巧妙化しています。
今回こちらの2機種にはこういったIT犯罪から身を守るためのルーターセキュリティ「トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ™」の90日間無料利用が可能。様々なインターネットに潜む危険やリスクを回避することができます。
まとめ:最新規格のルーターを利用して充実したネットライフを過ごそう
今回ご紹介した「PA-WX11000T12」と「PA-WX7800T8」はどちらも最新規格を使用した、安全で快適なルーターです。現行のものより更にセキュリティが強化、通信の安定性が図られているため、自宅のWiFi環境の改善が見込まれることは間違いありません。
皆さんもぜひ、最新ルーターを手にして快適なインターネットを楽しんでみてくださいね。