光回線で使うMDFとはどんなもの?マンションに住んでいるなら必見
マンションの光回線の工事の時に、「MDFの鍵を借りておいてください」
マンションにお住まいの方なら、光回線の開通工事の時に言われたことがあるかもしれません。
MDFとはなんだろう?
そもそもマンションの光回線工事はどのように行われるの?
工事についての専門知識があるわけでもないし、分からなくて不安ですよね。
現役で光回線の工事をしています。マンションの設備の詳細と、工事の内容を詳しく紹介します。
マンションにお住まいで、光回線の導入を検討している方の参考になれば幸いです。
MDFやIDF、EPSなどのマンション内の設備はどのようなものか?
マンションの光回線工事の詳細
マンションで光回線が開通不可となるのはどんな時か?
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サービス名 | auひかり | ドコモ光 | NURO光 |
月額料金(税込) | マンション/4,180円~ 一戸建て/5,610円~ | マンション/4,400円~ 一戸建て/5,720円~ | 2年契約/5,700円 3年契約/5,200円 |
工事費用(税込) | マンション/33,000円 一戸建て/41,250円 (ネット+電話の申し込みで実質無料) | マンション/16,500円 一戸建て/19,800円 (現在は新規なら無料) | 44,000円 (36ヵ月で実質無料) |
初期費用(税込) | 3,300円 | 3,300円 | 3,300円 |
通信速度(下り最大) | 1Gbps | 1Gbps | 2Gbps |
詳細 | auひかりの詳細を見る | ドコモ光の詳細を見る | NURO光の詳細を見る |
光回線のMDFとは何?知っておきたい基礎知識
MDFは「Main Distributing Frame」の略で、主配電盤とも呼ばれます。
聞きなれない言葉ですが、マンションの光回線工事においては重要な役割があります。
マンションの電話回線を束ねる装置
MDFはマンション内にある光回線や、電気設備などの大元になる重要な装置です。
マンションの規模や設備にもよりますが、MDF室として1部屋設けられているのが通常です。
集合住宅では各部屋に一本ずつ配線するわけにはいきませんよね。そのように配線していたら、マンションの設備がすぐに線でいっぱいになってしまいます。
例えば、光回線は1つのケーブルに1本~40本、多いものだと100本の光回線が入っています。
マンションの戸数に合わせたケーブルをMDFに引いて、そこから各部屋に配線することで設備がすっきりして保守点検もしやすくなります。
MDFは全ての光回線が集約されている場所になりますので、マンションにおいて非常に重要な設備といえます。
マンションの光回線にとって、必要不可欠な設備なんだね。
MDFボックスは雨風にさらされない場所にある
MDFボックスはすべての住居の光回線が収容されている重要な設備なので、雨風にさらされない場所にあるのが一般的です。
最悪の場合マンション内の全ての回線が使えなくなるリスクがあるので、MDFが腐食したり劣化したりするのを防ぐ目的があります。
防犯も考えて、管理人室の中や鍵のかかる専用の部屋に設置されているケースがほとんどです。
MDFを見たこともなければ、設置されている場所も知らないのが普通です。
MDFボックスを開けるにはマンション管理者の許可が必要
不特定多数の人がMDFに自由に出入りすると、気付かないうちに配線を切ってしまったり、いたずらによって設備を壊されるリスクがあります。
その為、MDFボックスを開けるにはマンション管理者の許可が必要になります。
また、出入りする施工業者も記録を付けて管理されるのが一般的です。
管理人が常駐しているマンションなら、光回線の工事があればMDFを解錠してくれますが、そうでない場合は冒頭で紹介したように、住民が事前に鍵を借りておく必要があります。
しっかりした管理が大事なんですね。
光回線のMDFとその他設備の違いは何?
マンションの光回線に関わる設備はMDF以外にもあります。
それぞれどのようなものか解説します。
IDFとの違い:大元になるか中間になるか
MDFに対してIDFと呼ばれる設備があります。
IDF(Intermediate Distribution Frame)は中間配線盤と呼ばれ、MDFと各住居の間に設置されます。
例えば1FにあるMDFから、10階の各部屋に一気に配線するのは非常に大変ですね。
その為、MDFから10階のIDFに一旦配線して、そこから各部屋に配線するのが通常です。
MDFから設置された配線を中継し、各部屋に分配する役割があります。
IDFがあると、早く簡単に作業出来ます。
EPSとの違い:配線設備が電源供給設備か
EPS(Electric Pipe Shaft/Space)は電気配線シャフトと呼ばれ、MDFからIDFまで配線する為の配管設備を設置している部屋です。
配管を通すことで、後から線を引くときに作業が容易になります。また、露出した状態にしない事で誤切断の予防も兼ねています。
EPSはあくまで配管を収納するスペースの事を指します。MDFやIDFのように光設備や電気設備を設置する場所ではありません。
EPS室の中にIDFを設置するというイメージが正しいでしょう。
厳密には電気の配線を通すのがEPSですが、光回線の配線を通す設備もEPSと呼ぶことがほとんどです。
光回線工事の時に開けるのはMDFでいいの?パターン別の解錠依頼
常駐の管理人がいなければ、事前に管理会社に解錠を依頼したり、鍵を借りたりしておく必要があります。
作業で開ける必要があるのはどの部分になるでしょうか?どの鍵を借りておけば良いのでしょう?
パターン別に解説します。
MDFの鍵:ほとんどの作業で必要
光回線のほとんどの作業はMDFに入る必要があります。
光回線の作業が入るとなれば、MDFの鍵は借りておいた方が無難です。
そもそも光回線をマンションに引くときには、MDFに大元の設備を設置するのが一般的です。
最初の工事で電柱からMDFまでを配線して、それ以降は申し込みがある度にMDFから各住居へ配線を引いていきます。最初の工事なのか、MDFから先の工事なのかを住人は判断出来ません。
MDFの鍵は借りておいた方が間違いありません。
IDFの鍵:大元から宅内までの工事の場合必要
宅内側に引いた線をつなぐ設備は、部屋からより近いIDFに設置されている場合もあります。
その場合はMDFに入らなくても済むわけです。
直近のIDFの鍵さえあれば、開通作業はすんなり終わるでしょう。
IDFの鍵は共通キーの場合も多いので、その場合は工事担当者が持っています。
EPSの鍵:MDFから先を配線する場合は必要
EPSはMDFからIDFまでを配線する為の設備でしたね。
その部分の配線を引く場合はEPSの鍵が必要になります。
光回線の開通工事に伴う配線工事は、様々なパターンがあります。
マンションごとにパターンが違いますので、一概に説明するのは難しいので工事業者に電話して、EPSの鍵は必要かどうか聞いておくのが一番間違いないでしょう。
3つのパターンを解説しましたが、不安なら全ての鍵を一応借りておくことをおすすめします。
工事業者側もトラブルがあった際には、様々な場所をチェックすることがあります。いきなり鍵を貸してくれと言われても困りますので、MDF・IDF・EPSと鍵がそろっているに越したことはありません。
こちらでは判断出来ないから、全部借りておこう。
MDFを利用した光回線工事の流れは?
MDFを利用して実際に行われる作業を解説します。どんな作業が行われるかイメージしておくと対応もしやすくなります。
電柱からMDFに光回線を引き込む
光回線は電柱からユーザー宅まで一本の線で引くわけではありません。
MDFやIDF各箇所に接続する設備を作っておいて、そこから線をつないでいきます。
そうしておく事で故障した時など、どこまで正常かチェックしやすくなるメリットがあるのです。
必ずMDFには接続するための設備が設置されますので、どんなマンションでも最初は電柱からMDFを配線工事する必要があります。
マンションにとって、最初の配線工事は時間がかかるケースが多くなります。
MDFから各戸に光回線を通す
MDFに設備を設置したら、後は開通依頼がある度にユーザー宅への配線を増やしていきます。
IDFを経由するかどうかは、マンションの戸数や規模によります。
電柱側の作業は、高所作業車を使ったり人数をかけたりして、大掛かりになりがちです。時間もかかるでしょう。
MDFから先の工事は圧倒的に楽に進みます。
配線された光回線をONUと接続する
宅内までの配線が終わったら、光回線をONUと呼ばれる装置につなぎます。
ONUは終端装置とも呼ばれる装置で、光回線の信号を電気信号に変換してくれるものです。
ONUなしに光回線を利用出来ません。戸建て、マンションを問わずONUは必ず必要になります。
宅内工事は専門の工事担当者が行います。
ONUとルーターを接続・設定する
ONUから直接パソコン等の端末につなぐ事が出来ますが、1台のみになりますし無線も利用出来ません。
そんな場合はルーターをONUにつなげます。ルーターがあればより便利に光回線を利用できますね。
ONUとルーター2台あるのが邪魔な場合は、一体型もありますので事前にどのタイプの機器を使いたいのかも伝えておきましょう。
ルーターを設定すれば、準備は完了です。
ルーターの設定を自分で行うのが不安であれば、セットアップサービスも利用出来ます。
セットアップサービスは内容によって、3,190円から申し込めます。
マンションに光回線工事が出来ないのはMDFが原因?よくある工事ができない理由
マンションによっては工事が出来ない場合があります。
MDFに空きがない
すでに様々な回線が入っていて、物理的に光回線が入るスペースがない場合があります。
用途によって、メタル回線やテレビの配線が一緒に収容されている場合があります。
また、光回線は事業者ごとに別々にケーブルを新設する必要があるので、どうしてもスペースが足りなくなりがちです。例えば、NTTはNTTの線を使いますし、KDDIはKDDIの線を専用に引く必要があります。
近年ではNTT以外にも様々な業者が光事業に参入している為、もう新たな光回線を引くスペースがないかもしれません。その場合は新たにMDFを設置したり、使っていない回線のケーブルを撤去する必要があります。
設備を設置するのに本当に苦労することもあります。
別回線が既に導入されている
マンションによっては既に別の回線が導入されていて、それ以外の回線を引けない場合があります。
契約上、マンションが専用に契約している回線があるケースがそれにあたります。
例えば、レオパレスでは「レオネット」という住居者専用の光回線が導入されています。低料金で開通工事も早く済むので利用する方も多いですが、回線速度は最大100Mbpsと低速です。
不満があって他社に乗り換えたい場合、導入工事する必要があります。
しかし、その場合管理会社に連絡して必ず許可を取らなければなりません。無許可での工事は契約違反になる可能性がありので注意が必要です。
残念ながら、管理会社からの許可が出なければ光回線の導入はあきらめるしかありません。
自由に回線を選べないのは少し残念。
管理会社やオーナーから工事許可が降りない
集合住宅で工事が発生する場合は、管理会社やオーナーへ相談して、工事許可が必ず必要になります。
勝手に工事を依頼してはいけません。工事当日、管理者が出てきて工事許可が出ていない為トラブルになるのはよくあるケースです。
入居者が快適なネットライフを送る為に、新たな光回線を導入してもらいたいところですが、これ以上線が増えるのは見た目が汚らしくなるから嫌だとか、壁に穴を開けるのが嫌だという理由で工事を嫌がる人は少なくありません。
線が増えるのを嫌がるオーナーさんは少なくありません。
配管にトラブルがある
築年数が経っているマンションだと、ケーブルを引くための配管が劣化していて線が通らない場合があります。
すでに多くのケーブルが入っていて線を新設するスペースがなかったり、配管の一部が錆びていて穴が開いていたりと思わぬトラブルで配線が出来ない場合があります。
配管を別ルートで新設する事になれば時間が余計にかかりますし、修繕する費用をオーナーが出さないようだと工事自体が中止になる可能性もあります。
築年数が経っているほど、配管トラブルの可能性も高まります。
MDFに空きがなかった場合の対処法|光回線工事はどうやって行う?
工事が不可になるケースをいくつか紹介しましたが、その場合どのような対処法があるのでしょうか?
MDFを増設する
MDFに空きスペースがない場合、新たにMDFを増設する必要があります。
既設のMDFに穴を開けて真下や真横といったスペースに新規のボックスを設置、新たな配管でつなげる方法が一般的です。
業者によっては、道具さえあればその場ですぐに出来る簡単な工事です。
しかし、道具がなかったり、オーナーの許可が下りない場合は工事が延期になり開通までに余計な時間がかかることになるでしょう。
この手のトラブルは実際に工事に入ってみないと分からない部分なので、時間には余裕をもって光回線を導入するようにしましょう。
トラブル時は管理会社やオーナーの許可が必要なので、連絡が取れないと余計に時間がかかります。
配管の修理を依頼する
経年劣化で配管に穴が開いていたりする場合は、修繕を依頼する必要があります。
小さな劣化ならすぐに修繕出来る場合もありますが、何といっても既に使っている線が入っている配管です。
場合によっては使っている全ての住人に許可をとって、回線をストップして行う大規模な工事になる場合もあります。
こちらも場合によっては、数日~数週間の余計な時間がかかるケースがあります。
使っている回線を止めるのは、事前に連絡も必要なので、時間と手間がかかります。
戸建てプランで光回線を導入する
MDFを経由したルートにトラブルがあった場合、共用部分は通さないで戸建てと同じようにベランダ側などから個別に回線を導入する方法もあります。
管理会社やオーナーから許可が出ればこの方法で開通は出来ますが、この場合マンションではなく戸建ての回線と同じ扱いになります。
一般的にマンションタイプの回線は、戸建ての回線より料金が安く設定されているケースがほとんどです。
どうしても光回線が必要なら仕方ない部分ですが、料金面ではデメリットが発生します。
この方法は低層の集合住宅に限られます。
注意:共用部の工事は管理会社やオーナーの許可が必須
工事の際に起きたトラブルは修繕するにしろ、配管を新設するにしろ管理会社やオーナーの許可が必ず必要になります。
費用も掛かりますし、大規模な工事になれば大きな音が出たりして嫌がるオーナーは多いのが現実です。
もし、直接オーナーと交渉するチャンスがあれば、光回線を使うメリットや必要性を熱く訴えましょう。回線速度が速かったり、サービスが充実している人気の回線なら入居者にも喜ばれて、空き部屋の解消にもつながるでしょう。
説得が上手くいくように、メリットを前面に押し出していく事をおすすめします。
決めるのはオーナーなので、熱意が大事ですね。
MDFに空きがない場合は戸建てプランを検討しよう、おすすめの光回線は?
前項で解説したように、共用部を通さなければ様々な戸建てプランを選べます。おすすめの光回線を紹介します。
月額料金 | 初期費用 | キャンペーン | 通信速度 | 工事費用 | スマホとのセット割 | |
auひかり | 月額5,610円~ | 事務手数料3,300円 | 65,000円高額キャッシュバックあり。 | 最大1Gbps | 37,500円 | auスマートバリュー:スマホ料金最大1,100円割引 |
NUROひかり | 月額6,100円~ | 事務手数料3,300円 | 43,000高額キャッシュバックor1年間月額980円 | 最大2Gbps | 44,000円 | おうち割光セット:スマホ料金最大1,100円割引 |
ソフトバンク光 | 月額5,170円~ | 事務手数料3,300円 | 最大24,000円キャッシュバック | 最大1Gbps | 最大20,000円キャッシュバック | おうち割光セット:スマホ料金最大1,100円割引 |
ドコモ光 | 月額5,500円 | 事務手数料3,300円(税込み) | 最大20,000円キャッシュバック | 最大1Gbps | 最大20,000円キャッシュバック | ドコモ光セット割:スマホ料金最大1,100円割引 |
フレッツ光 | 月額5,087円 | 事務手数料3,300円(税込み) | 最70,000円キャッシュバック | 最大1Gbps | 19,800円 | なし |
auひかり:独自回線で通信が安定している
auひかりは独自で設置した光ケーブルを利用してサービスを提供しています。
光回線は周囲のユーザーと分け合って使うのが一般的なので、ユーザー数が多いと回線が混雑し速度が遅くなります。
auひかりはそこまでユーザー数が多くないので、比較的安定した回線速度が出ます。
国内でも光回線の設備を保有している事業者は希少です。